A社の佐伯さんがのらりくらりと

A社の佐伯さんがのらりくらりと。インターネットと少しだけ生活のこと。

エンジニアがゼロ秒思考を試して1週間が経過した

佐伯です。

本屋でたまたま見つけた「ゼロ秒思考」という本が凄まじく良かったので、とりあえず実践してみようと決意し1週間が経過しました。

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ゼロ秒思考って何さ

この本はもともとマッキンゼーで働いていた赤羽 雄二さんが14年もの間で磨き上げてきた思考法と、そこに到達するための、誰でも簡単に実践できるシンプルなトレーニング方法について解説した本です。

「私は、普通に会話をしたり、本を読んだり、インターネットを利用できるような人は、本来的にみな頭がうよいと考えている。」という序文から始まるこの本は、物事を端的に書かれており、非常に読みやすかったです。ゼロ秒思考とは、筆者の言葉を引用すると、こんな感じ。

 

ゼロ秒とは、 すなわち、瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できることだ。迷っている時間はゼロ、思い悩んでいる時間はゼロとなる。

文字通り瞬時にできることが多いが、もう少し時間がかかる場合もある。それでも、従来に比べて驚くほどのスピードアップとなる。

今、目の前で何が起きているのか、どういう現象なのか、一瞬のうちに判断し、判断したら次の瞬間に進むべき道を複数考え、長所短所の比較をし、即座に方針を決定できるようになる。

おお、なんか強くなれそうだ。

んで、そのために何をすればよいのよ、というと

 

それは、頭に浮かぶことを次々とメモに書くだけだ。ただ、ノートやパソコン上ではなく、A4の紙に1件1ページで書く。ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、最も基本的な「考える力」を鍛えられる

(中略)

具体的には、A4用紙を横置きにし、1件1ページで、1ページに4~6行、各行20~30字、1ページを1分以内、毎日10ページ書く。したがって、毎日10分だけメモを書く。たとえば図のメモのようになる(なお、ここではメモ上の実際の行数ではなく、ダッシュ「-」で始まる項目を「行」と表現する)。

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自分がきめたテーマについて、ただ頭に思いついたことをただ書き出すだけ。

ほんと、これだけでいいの?というのが実際のところだけど、これだけみたいっす。

 

 

僕は言語化能力が乏しかった

なぜ実践しようかと思ったかというと、ぶっちゃけ自分が何考えているか分からなかったんですよね。分からないので何を伝えるべきかもあやふやで、的を得ない発言が増えて結局伝わらない、みたいな。効率的にコミュニケーションが取れないことがとてもストレスだったんです。

 

それは行動にも現れていて、思い返すと行き当たりばったりだな、と思うことが結構あるんす。仕事でコード書いてても、「ここをまず確認していればこの作業いらんかったかも」みたいな事を後になって気づくことが頻繁にありまして、そのたびに自分の髪の毛がごっそり抜けるほど悔しい思いをするんですね。ああ、もっと頭良くなりてえ、と漠然と思っていたときにこの本と出会い、半信半疑だけどまあ、やってみるか、と。

 

具体的になにやってん

・判断に一瞬でも迷ったときに

・自分が「わからない」と感じたときに

・何かもやっとしたときに

・感情が荒ぶったときに

1分間でメモを書く。それを1日10枚(=10分)。それだけです。

僕の場合、会社のコピー用紙がめちゃくちゃ余っているので、それを使っています。(許可は取ってますw)

 

何を書くの?

1分間の間にテーマを決め、ひたすら箇条書きします。

テーマは以下のような感じで

・現在起きている事象は?

・原因として考えられるのは?

・解決策は?

・その解決策を選ぶ基準は?

・今の話のポイントは?

・〇〇さんはどう思うだろう?

・社長が自分の仕事をやるならどうする?

 

それぞれのテーマ毎で1分です。思ったことをどんどん書き出していきます。テーマの例をみて「これって普段当たり前に考えていることじゃね?」って思ったあなた、そうなんですよね。 これらは仕事をする上で当たり前に考えられて然るべきなのですが、みんなこれらを整理できていないのではないか?というのが筆者の指摘だと僕は考えています。

 

整理し、構造的に理解することで、瞬時に適切な判断、説明が出来るようになる。これがメモ書きの目的です。

構造的に理解するとは

・どういう問題が起きていて

・原因は〜〜で

・これから取れる選択肢は〜〜と〜〜と〜〜で

・それぞれのメリット・デメリットは〜〜で

・選択肢を決める基準は〜〜でその理由は〜〜で

・現在足りない情報は〜〜だから

・〜〜すべきだ

etc

のような項目それぞれで事実と自分の考えを洗い出し、ポイントを抑える事です。メモ書きはその為の整理ツールであり、瞬時にそれを行うようになるためのトレーニングツールとしても位置づけられています。

 

1週間やってみたけど、変化はあったのか?

最初の方はまったく何もかけなくて、以外に10枚ってキツイんだな、という印象でした。それでも1週間経つと、ある程度マシなメモになっていきます。なんとか継続した結果、ざっと以下の変化が見られました。

・物事を構造的に理解しようとする癖がついた

何かあったとき、いま考えられていないのはこのあたりかな?と考える癖がつきました

・どう伝えればいいのか、のゴールをぼんやり実感できるようになった

いままでのように闇雲に話すのではなく、こうすればもっと上手く話せたな、というゴールがわかった気がしました。

・ブログを書くスピードと苦しみが半減した

要点をメモ書きしているので、ほとんどストレス無い上に結構さっさと書けちゃうので、この辺りはすごく実践してよかったと思う変化ですね

ここはあまり盛っても意味は無いので、ぶっちゃけて書くとこんな感じですね。この3つは今まででは無かった変化でした。

 

 

現時点での不満なところ

・メモを書いた後に「箇条書きで全部挙げられていない感じ」が残る

全体を構造的に理解する、と言えど、結局自分が考えられるレベルでの全体感に過ぎず。まだ自分の及ばない部分が有るのでは?と疑問です。この辺はやっているうちにきたえられるのだろうか?

・構造的に捉える癖はついたが、自分の処理能力が上がったとは思えない

まだコミュニケーションや日々の仕事で実感できるレベルでは無いですね

・1分で凄い急いで書くので、自分の字がすげえ汚い

自分の問題ですね

 

とりあえず「早い人は3週間〜1ヵ月で効果を実感できるはずだ」みたいなことが書かれていたので、継続します。この作業、有益だとは思うので。

 

今回はエンジニアチックな要素まったくなかったですが、色々ブログを見たところ、「エンジニア ✕ ゼロ秒思考」みたいなエントリを見つけることが出来なかったので、そういった視点でも今後定点観測してみても面白いかな、と思って今回このエントリを書いた次第です。

 

また報告します。

ではまた。