学問とドラマは最悪の組み合わせだと思う
どうも、佐伯です。
個人的にびっくりしたニュース。141 万部の大ベストセラー、アドラー心理学を解説した入門書【嫌われる勇気】が2017年1月のフジテレビ木曜劇場(木10)にて刑事ドラマとして放送されるらしいです。入門書が刑事ドラマです。なかなか新しい組み合わせですよね。むしろそこに勇気を感じます。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478025819/pp2203-22/
【嫌われる勇気】を半ページに要約するとこんな感じ
この本、僕の思い出の1冊でもありまして、今の自分に大きく影響を与えた本なんですね。ある哲学者と青年の対話形式で進んでいくもので、ざっくりまとめると「人は今この瞬間から幸せになれる。幸せとは、人に嫌われること(を恐れない自分の態度)だ」って感じです。誤解を招きそうな表現なので簡単にポイントを上げると
原因論ではなく、目的論を推奨する
原因論:過去が自分を決定づける
目的論:今の自分が過去に意味を付ける
過去の出来事によっていま自分が〜できない、という考え方では、事実として永遠に過去に縛られることになる。なので目的論に基づき、過去の出来事を自分を守る盾にせず、今の自分が何をするかに焦点を当てたほうがよいとする。
すべての悩みは人間関係
他者との比較やコミュニケーションの問題=すなわち人間関係が悩みのもとであるということ。それを解決するために以下の3つで構成される人生のタスクという概念と向き合い続けることが大切
・仕事のタスク:仕事上の人間関係
・交友のタスク:友人との距離
・愛のタスク:恋愛、親子関係
対人関係のスタートは課題の分離
↑に向き合うため、対人関係の入り口として課題の分離という作業が必要。「自分の課題」と「相手の課題」を分けて、相手の課題には絶対に介入してはならない。
対人関係のゴールは共同体感覚
共同体感覚は以下の3つの概念で構成されている
・自己受容:今の自分をそのまま受け入れる
・他者信頼:無条件に相手を信じる
・他者貢献:他者や、共同体(社会などの集団?)に貢献すること
共同体感覚をもつこと=幸福であるということ。
「私は誰かの役に立っている」という主観的な感覚こそが、貢献感(=幸福)となる。
人生の嘘ってのがある
人生のタスクをから目をそらさせる外的要因を人生の嘘と呼ぶ
・他者の課題に介入しようとすること
・原因論
・承認欲求など
・嫌われることを恐れる
これらの嘘に惑わされず、今この瞬間を生きる(人生のタスクと向き合い続ける)勇気を持てば、事実上(定義のうえでは)今この瞬間から私たちは幸せになれる。
ものっそいざっくり書きましたが、幸せ、自由、人生っていう凄いふわふわしたバズワードを、ロジカルに言語化してくれた本は僕にとっては初めてで、内容的にも腹落ちできる本でした。一読の価値はあるとおもいます。おすすめ。
学問と物語は相容れないと思うんす
このドラマ化の話、知ったのは最近なのですが、知ったときからものすごくモヤモヤしてたんですね。最初は「好きな作品が実写化されたときのあの憂鬱な感じ」だと思ってたのですが、なんかそれとは近くとも何か違うことに気づきました。単純に表現方法としてドラマ(物語化)ってそぐわないと思うんですよ。
嫌われる勇気のもとになった「アドラー心理学」。名前の通り学問なんですよね。どの学問でもそうだと思うんですが、学問って終わりの無い歩みみたいなもんじゃないですか。
数々の人間が何百年もの間、議論と検証を重ね、こうすれば社会良くなんじゃね?という知恵を断片だけ抜き取って、「これでドラマがハッピーエンド(バッドエンド)になった〜」っていうのは、ちょっとあんまりだと思うんです。進研ゼミの漫画じゃねえんだし。
そんなこと言ってたら何も見れないよ〜って意見もわかるんですけどね。。。
やっぱり好きな本だからかな。銀魂ファンもこんな感じなんだろうか。
おわります。